TREATMENT

アレルギー・副鼻腔炎について

当専門外来では、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、歯性上顎洞炎、真菌性副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、鼻腔乳頭腫を初めとする良性腫瘍等の診察・治療を中心に行っております。投薬治療で効果が不十分な場合も多く、アレルギー性鼻炎に対するレーザー治療や歯性上顎洞炎に対する内視鏡手術は外来日帰り手術で、その他の疾患に対する内視鏡下鼻内手術(後鼻神経切断術、鼻中隔矯正術を含む)は、3泊~4泊程度の短期入院での手術治療を行っております。
当院は東京都のアレルギー疾患診療拠点病院に指定されており、治療に抵抗性のアレルギー疾患に対する、複数科横断的なトータルケアーを行える体制を整えております。
当院の快眠センターにおける外科部門としても診察を行っており、睡眠時無呼吸症候群に対する、両側口蓋扁桃摘出術や軟口蓋形成術等の手術を行っています。

診療日
月曜日:14時から17時

受診の流れ

当院受診には近医からの紹介状が必要です。初診の患者さんはまず午前中の一般外来を受診していただきます。その後、必要に応じた診察やCT・MRIなどの画像検査を受けていただいた後、当専門外来を受診していただきます。

当専門外来の特色

アレルギーをトータルに診療

アレルギー疾患診療拠点病院として、アレルギー性疾患を複数科横断的にトータルに診療致します。

外来日帰り手術に対応

症例により、外来日帰り手術を行っております(外来手術日は水曜日の午後になります)。

睡眠時無呼吸症候群の検査と治療

快眠センターに所属し、睡眠時無呼吸症候群の方の鼻腔形態の検査と評価、また適切な治療の提案を行っております。

  • 当外来終了後にはスタッフ全員が集まり、診断・治療方針・手術適応につき慎重に検討を行っております。

スタッフ紹介

症状とおもな疾患

鼻内の診察だけでは正確な診断は難しいため、正確な診断には鼻科学を専門とした医師の豊富な経験・知識に加え、各種画像検査が必要となります。

鼻漏、鼻閉、くしゃみ、後鼻漏

季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)の代表的な症状です。
しかし、花粉症でなくても、寒冷性・乾燥性・加齢性・物理的刺激・化学的刺激でも、同様の症状が生じます。その他に、歯性上顎洞炎、真菌性副鼻腔炎、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(好酸球性副鼻腔炎を含む)、良性・悪性腫瘍でも生じる事があります。

頬部痛、前額部痛、側頭部痛

歯性上顎洞炎、真菌性上顎洞炎、慢性副鼻腔炎、好酸球性副鼻腔炎、術後性上顎洞嚢胞、良性・悪性腫瘍で生じる事があります。またアレルギー性鼻炎でも、同様の症状を自覚する事があります。

嗅覚障害

現在猛威を振るっている、新型コロナウイルス感染症でも生じる事が知られています。その他に、アレルギー性鼻炎、好酸球性副鼻腔炎、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、良性・悪性腫瘍でも生じる事があります。

鼻出血

幅広い年代で生じますが、小児の場合はキーゼルバッハ部位と言われる、鼻の手前から出る事が多く、一般的には鼻をしっかりつまむと止血出来、追加の処置は不要なことがほとんどです。
しかし、高血圧の方、抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)を内服している方は、奥の方から出血する事があり、ガーゼタンポンや内視鏡での止血術が必要になる事があります。
稀な疾患ではありますが、オスラー病という疾患があり、この場合頻回に鼻出血を生じて、場合により輸血が必要になる事があります。

代表的な疾患の治療例

慢性副鼻腔炎(歯性上顎洞炎を含む)、好酸球性副鼻腔炎

マクロライド系抗生剤の少量長期投与を行う事が多いです。
好酸球性副鼻腔炎では、抗アレルギー薬、経口ステロイド薬、ステロイド含有点鼻薬等を使用します。
しかし、特に好酸球性副鼻腔炎では、治療に抵抗する事も多く、この場合は内視鏡下鼻内手術を行う事になります。最近になり、適応基準はありますが、抗体医薬も使用できるようになりました。

真菌性副鼻腔炎

内服は無効な事が多く、内視鏡下鼻内手術を行います。

アレルギー性鼻炎

抗ヒスタミン薬、ステロイド含有点鼻薬を使用します。
これらの治療で不十分な場合は、レーザー手術や後鼻神経切断術等の外科的治療を検討する事になります。

鼻腔内反性乳頭腫

鼻腔に生じる良性腫瘍の大部分を占める疾患です。基本的には内視鏡下鼻内手術で摘出します。
疾患の性質上、再発を生じやすく、再発を繰り返すと癌化する可能性がある疾患です。

鼻出血

小児の場合、鼻をつまむことで止血できることが多く、追加で治療が必要になる事はほとんどありません。
高血圧の方、抗凝固薬を内服中の方は、止血しにくい事が多く、内視鏡下に止血術が必要になる事があります。

睡眠時無呼吸症候群

軽症~中等症の方は、睡眠時の姿勢を工夫したり、マウスピースを使用したりすることがあります。
重症の方は、CPAPと呼ばれる器械を使用する事があります。
扁桃肥大や軟口蓋低位がある場合、外科的手術(両側口蓋扁桃摘出術や軟口蓋形成術)で症状を軽減できる可能性があります。

オスラー病

稀な疾患ではありますが、反復性に鼻出血を生じる疾患で、遺伝性疾患です。
通常の止血術では止血困難な事も多く、場合により輸血が必要になる事があります。
完全な治療ではありませんが、鼻腔粘膜を、大腿部から採取した皮膚で置換する(粘膜皮膚置換術)手術を行う事があります。